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シャトージュン、日本ワインの源泉を味わう旅Tour de Chateau Jun 

2018.06.27
SCHOOL

2018年5月某日、 山梨県・甲州市のワイナリー『シャトージュン』へと旅する、プレス関係者やお客さまを対象としたバスツアー“第2弾” を開催しました。 『勝沼ワインの歴史とファーマーズ・ピクニックの旅』と銘打ったこのツアー。JUNのカルチャーや理念をより深く知ってもらうとともに、山梨県の風土や味わいを心底楽しんでもらいたい。そんな想いから、今回だけしか味わえない"特別感"をいっぱい詰め込みました。

自社のワイナリーを持つなどという発想が、まだまだ日本のアパレル会社にはなかった、1979年。JUNグループのワイナリー『シャトージュン』は、産声を上げました。海外では名だたるファッションブランドのメゾンは、こぞってワイナリーを所有し、オリジナルのワインをリリースする活動をしていますが、国内で、自分たちでワインを醸造までしているアパレルブランドはほとんどありません。まだまだ浅い日本ワインの歴史とともに歩み、山梨県の文化振興にも貢献できるように努力しています。

旅の始まりは、日本ワインの黎明期を学べる『宮光園』から。

日本のワイン醸造文化を語る上で欠かすことができないのが、甲州市・勝沼町の『宮光園』。経済産業省が認定する"近代化産業遺産"にも指定されている、貴重な施設です。盆地で雨が少なく、米作りにあまり適していなかった勝沼地区。江戸時代にはすでに、盛んだった養蚕とともに、ブドウの栽培が始められていました。

そして時は、日本が西洋の文化を一気に取り入れ始めた、明治の黎明期。この地で宮崎光太郎氏はワインの醸造を始めるとともに、客がブドウ園を訪れ、ぶどう狩りやワインを楽しみ、工場の見学もするという、独自のスタイルを編み出しました。これが、日本初の観光農園『宮光園』の誕生です。今でこそもてはやされている、農業の6次産業化(農業から、加工、販売、サービス業までを一貫して手がけるスタイルのこと)を、いちはやく始めていたモデルケースとも言えます。

馬と大八車で木樽を運搬。知るほどに深みを増す日本ワイン。

『宮光園』では、実際にどのようにワイン造りが行われていたか、人々がどのように働いていたかの貴重な記録フィルムを放映。馬や大八車、着物のもろ肌を脱いだ人足が生き生きと立ち働く、時代劇のようなさまは圧巻でした。また第2次世界大戦時には、ワインは軍需物資として国からの要請で量産されたことなど、ワインにまつわるさまざまな歴史も知ってもらう良い機会となりました。今回は特別に、地元の語り部さんによる、山梨ことばでの昔話も披露。あたたかい地元方言での語りは、この土地の風土、気候を肌で感じさせてくれると好評でした。

ブドウ畑で、美味しいランチ。山梨の食材と、ワインとのマリアージュ。

青々と広がるブドウ棚の下で、シャトージュン自慢の人気ワイン『甲州』をたっぷりと楽しんでもらいながらのランチタイム。この日のケータリングは、地元で料理に関するワークショップなども開く『レ・ボンボン』が、『甲州』とのマリアージュで考案してくれた特別なメニュー。地元の野菜をふんだんに使ったお弁当は、どれもシャトージュンのワインにぴったりで、参加者からも感激の声があがっていました。日本ワインである『甲州』は、すっきりとした味わいで和食にも合うという点でも評価が高く、特に鰹や昆布の出汁との相性も良いのが特長。かつてJAL国際線の機内用ワインとして採用されたこともある、世界標準の美味しさだと評判です。

この畑で育つブドウの実は、これからまさに『甲州』になっていく。

ちいさな可愛い実をつけているブドウ棚の下で味わう『甲州』の味は格別です。実はこの畑は『シャトージュン』の契約農家、中西さんのブドウ畑。丁寧に慈しんで育てられるブドウは、大きく熟したのち、人気銘柄『甲州』へと生まれ変わります。ふだんは立ち入ることのないブドウ畑、それも実際にワインが造られるブドウそのものの下で、ワインを飲むという体験は、本当にこの旅でしか味わえないスペシャルなものです。

雨が少なく寒暖差が大きい勝沼の気候は、ブドウ栽培に適しています。それでも収穫までには、より良いふさの選定や水やりなど、気が抜けない作業の連続。そのままで食べても美味しい、レベルの高いブドウができるから、そこから醸されるワインもやはり美味。こうして『甲州』は、顔の見える人々からのたくさんの愛情を受けて、数々の受賞歴もある、輝かしい日本ワインへと成長していきます。

食事の後のデザートも、この日だけの特別メニュー。新しい味覚の桃パフェを堪能。

ランチを終えたツアーバスは、極上の桃スイーツが味わえる『ピーチカフェ・なかにし』へ。桃農園の直営店としてオープンしたこのお店、コンセプトは"桃の気持ちの分かるカフェ"。自家栽培の桃を使ったこのお店の名物パフェに魅せられた多くのファンが遠方からも集まり、休日には行列もできる人気店です。この日のためだけのスペシャルなデザートは、JUNグループのフードプロジェクト『EATART STUDIO(イートアート スタジオ)』のパティシエ・ジャック松岡がカフェとコラボし、厨房で腕をふるって作ったオリジナルのピーチパフェ。極上の桃をさっぱりとしたヨーグルトクリームでいただく新感覚スイーツは、今回のツアーにふさわしく、『シャトージュン』の希少な銘柄ワイン『アジロンダック』を使ったゼリーを贅沢にトッピング。甘さと酸味と香りのマリアージュに、ぜひ定番メニューにしてほしいという声も多数あがっていました。

いよいよ、この日のメイン。『シャトージュン』ワイナリー見学へ!

バスは、旅の目的地でもある、『シャトージュン』に到着。醸造責任者である仁林欣也が、ワイナリーを案内しました。JUNのワイナリーでは、醸造のスペシャリストである仁林と数名のスタッフだけで、ブドウの栽培から収穫・醸造まで一貫して行っており、エチケット(ワインのラベル)も一枚ずつ手貼りしています。その丁寧な仕事ぶりが評価され、今年『日本ワイナリーアワード』で3つ星を獲得しました。このアワードは、日本ワインを世界に向けてもっとアピールするために制定されたもので、ワインを製造するワイナリー自体の姿勢やクオリティを評価する、新しい制度です。

美しいステンレスタンクが並ぶ、ワイナリーの心臓部。

丁寧に収穫されたブドウは、圧搾、発酵を経て、ステンレスタンクでじっくりと熟成させます。タンクは個別に細かく温度管理をしていて、それぞれのワインの個性を引き出すように調整。また、タンクではなく樽で熟成させ、香りや味わいを深めているタイプのワインもあります。銘柄によっては、ブドウの品種の希少性や熟成期間の長さもあって、完成品の数量がかなり限られてしまうことも。

素朴な美しさのあるワイナリーの前庭で、たっぷりと味わうワインの数々

勝沼の風土を肌で感じて、ブドウの栽培やワインの醸造についての理解を深めたあとの試飲は、また違った味わい。ワイナリーの建物と眼前に広がる開放的で美しい田園風景は、海外のワイナリーを思わせると評されます。都心からそれほど遠くない場所に、こんなに心豊かに過ごせる場所があるとは驚きだ、という声も。醸造責任者の仁林が、自らツアーの参加者にワインを注ぎ、その想いを語り、質問に応えたほか、『シャトージュン』のスペシャルアドバイザーであるソムリエ・西浦昌文、事業部長・道間通雄も懇談。人気のスパークリングや、『アジロンダック』『ソーヴィニヨン ブラン』など、普段はなかなか手に入らない銘柄もテイスティングしてもらう、貴重な機会となりました。

ワイングラスを手にすることで、参加者はお互いに打ち解けて、どんどん柔らかく、良い表情になってゆきます。話もはずんで、眼の前で新しい繋がりが生まれ、広がってゆきます。美味しいワインは良いカルチャーを生み出す、最高のコミュニケーションツールであるということを、お客さまとともに実感できたツアーとなりました。

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