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"蔵出し" 最終章 「島津さん 孤独のメモリー」がスタート

2020.07.14
COMPANY FASHION

株式会社ジュンが運営する、渋谷PARCO 1F「POP BY JUN(ポップ バイ ジュン)」ではART BOOK FAIR"蔵出し"を開催中。
"蔵出し" は、「bonjour records(ボンジュールレコード)」の立ち上げからバイヤー、ディレクター、DJ、プロデューサーとして活躍し、音楽やアートに熟知している上村真俊氏とタッグを組み、まるで本のように三章構成で展開されるアートブックフェアです。

7月13日(月)、最終章となる「島津さん 孤独のメモリー」がスタート。スタイリスト島津由行氏がその半生をかけて貯め込んだ逸品・珍品がお目見え。オープニング初日は島津氏も在廊され、DJも披露。大きな盛り上がりをみせました。
"蔵出し" 最終章 「島津さん 孤独のメモリー」は、7月26日(日)まで。
「スタイリスト」という道を極めた「島津さん」のコレクションを是非ご覧ください。

島津由行 ( スタイリスト / ファッションディレクター ):
1959年、熊本生まれ。10代で渡米、その後ヨーロッパに渡り、スタイリストとしてのキャリアをスタート。帰国後、マガジンハウス「anan」「POPEYE」のスタイリストとして活躍後、現在までに「Harper's BAZAAR」「GINZA」「SENSE」「BRUTUS」「花椿」等、数多くの雑誌でスタイリングディレクションを担当、広告媒体では多くのタレント、ミュージシャンの衣装制作も手掛ける。また、TV ドラマ「黒革の手帖」「BG」「ヘッドハンター」等の作品にも参加し、2018 年「紅白歌合戦」グランドオープニングでのスタイリング監修を担当。不定期でDJも行っている。



「POP BY JUN」から選りすぐりをお届けする"蔵出し"企画の最終章。
今回はスタイリスト島津由行氏がその半生をかけて貯め込んだ逸品・珍品がお目見えする。
題して「島津さん 孤独のメモリー」

島津由行、1959年生まれ。
日本のファッション黎明期から今に至るまで「スタイリスト」という道を極めた「島津さん」だが、今回"蔵出し"される品々にまつわるお話をおうかがいしたところ、その長く、決して平坦ではなかったその道のりが語り始められた。
熊本での多感な青春期を経て、「東京へ行くならアメリカへ行くのも変わらんだろう(笑)」と初めて海を渡ったのが 1974年。アメリカ見たさから、距離感も考えず、学校にいくのもやめ、夜の商売をかけ持ちして飛び出した、サンフランシスコからロサンゼルス、ハワイへの旅だったという。当時、頭の中はウッド・ストック以後の音楽やファッションシーンでいっぱいの島津さんが目にしたのは、ヒッピー末期の西海岸。「当時、アイビールックから西海岸ファッションに影響を受けていたものの、西海岸に着いてみると、みんながフレアパンツにタイダイのTシャツ、ひげルック。アイビースタイルではまったくない事に、雑誌にだまされたー!と言う感覚でした(笑)。まあ、今で言うブランディングだったんですね」。

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その後、ビートルズを筆頭とする音楽に惹かれて向かったのが、ロックの聖地イギリス・ロンドン。ʼ78年、折しもロンドンはパンクの渦中。そしてマーキィーズ等のライブハウス、キングス・ロードが生き生きしていた時代だったという。そして、ʼ81年「ロンドンに行く予定がヨーロッパや他の諸国も旅してみたい」と思い立って渡ったのがパリ。居心地がよかったというパリを拠点にして、ある時はギリシャからトルコへ、ある時は東欧スロバキア、ユーゴスラビアへオーロラを求めて北欧へ、またある時はスペインから船でアフリカに渡ってモロッコへ。陸と海を越える放浪は2年程続き、旅から戻ってからは、イッセイ ミヤケ、ヨウジヤマモト、ワールズエンド等といった錚々たるデザイナーのパリコレの裏方を始めるようになった。「この頃のショーは、時間が長く体数も多かったので準備が大変でした」。税関からの荷受け、フィッティング、スタイリストのフォローまで。パリコレのあらゆる仕事に関わり、ファッションの舞台裏からさまざまな発見をすることになる。「そこで初めてスタイリストという仕事があるのを知ったんです。当時、関わっていたのは女性服のコレクションです。それまでは自分が着るための服や、自分が聴くための音楽というのに夢中だったのに、この女性服という、女性に着せて成り立つという造形美を知ったんですね。あの時代にパリで見たものが、自分のキャリアを決定的なものにしたんです」。
そんな放浪とパリコレでのアルバイトの繰り返しだった島津さんは、その後、買い付けの仕事も始めることになる。古着、ヴィンテージ品の買い付けのためにアメリカのマーケットからロンドン、パリの蚤の市は毎週どこかしら覗いていたという。「古着なんかは手で生地を触って、何年代のものだっていうのが大体わかってきたりしてね。プロの掘り師でした」。「暗い中、懐中電灯片手に蚤の市に行くわけです。孤独な作業ですよ、掘るというのは」。同時にクリエイティブなひらめきにはこの孤独に向き合う時間が大切だったとも断言する。

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今回"蔵出し"されるのは、そんな紆余曲折の半生をかけて島津さんの身の回りに集まってきたものから、最近手に入れたあらゆるもの。
洋服はもちろん、写真集、雑誌、ポスターから家具まで、思い入れのある品々が並ぶとのこと。「完璧なコレクションなんかではないんですよ。でも、自分のところにあるより、今、若くてその時代を知らない世代に渡して使ったもらったほうが有意義でしょう」と思い切って手放すことにしたという、これらメモリーのかけらを前に、あなたは圧倒されるに違いない。
(聞き手:梶野彰一)

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